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2022.01.25

ハステロイC-276 研究~制作

昨年、取引先からいつも制作している物をニッケル合金のハステロイC-276で制作したいという依頼がありました。

いつも制作している物も、難易度が高い一点物で、それを当社が取り扱ったことがないハステロイC-276での制作。

とても、悩みましたが、逆に難易度が高いもの、やったことがない物こそ当社で挑戦したいという意欲が高まり、取引先、職人と打ち合わせを行い、研究時期を踏まえ制作することを承諾いただきました。

まずはハステロイC-276の性質を調べるべく、ハステロイを生んだ会社のHPを検索、資料をダウンロードし勉強→仕上げ・穴あけ・タップ加工・曲げ・溶接を行う為、それに必要な道具・材料を協力会社に相談、工具専門の展示会にも足を運びました。

 

性質→ハステロイC-276(アロイ C-276)は高温度下の機械的強度が高く、また耐食性に優れるだけでなく、硫酸や硝酸、塩素などの酸化性雰囲気でも優れた耐久性を誇ります。(航空関連・医療プラント等に使用) 一般的にハステロイ材は非常に優れた特徴を持つ反面、加工が難しい。いわゆる難切削材としても知られています。

 

仕上げ・穴あけ・タップ加工→当社普段使用している物(鉄・SUS用)を使用するも、全くうまくいかず。展示会にも行きましたが、ハステロイ用なものはなく、各社一番機能が高い物を試供品として、頂き使用。仕上げは納得がいくものを発見。しかしドリル・タップはボール盤用を探していましたが一過性の物しか見つからず。(工具屋さん各社を回りましたが、ハステロイ?アロイ?と知らない人が多く、材料の進化、種類の増加についていけてないとの事でした。)

 

曲げ→材料にてハステロイC-276(今回は板厚t1.6)を注文、ベンダーにて伸び率検査を実施。今回の制作物は特殊なプレス加工した切り板をベンダーにて一発勝負で行う端曲げという技術を用いるため、取引先にて試供品を支給され実施。

 

溶接→Tig溶接使用。今回板厚t1.6とt8.0を使用しすべての箇所に液密溶接の指示がある為、専用の溶接棒を手配し実施、カラーチェック等漏れ検査実施。

 

上記にて当社なりのデータを収集し、当社で可能な内容(曲げ・溶接・仕上げ)不可能な内容(穴あけ・タップ加工)を選別、取引先、材料屋さんと打ち合わせを行い、本番を実施し見事完成に至り、納品後漏れ検査も通過し、最終納品も終了したとの報告も頂きました。

 

制作に携わった職人も安堵して笑顔が見られました。

今回の制作にあたり、取り扱ったことがなく研究段階からの当社に挑戦をさせて頂いた事、本当に感謝しています。

また制作・研究に携わった挑戦したいと燃えてくれた職人、様々な情報をくれた材料屋さん、工具屋さん。様々な要因が重なり、無事完成できたこと嬉しく思います。

完成後社内にて勉強会を行い、研究の成果も社員全員に共有しました。

今後も様々な材料も含めて挑戦できる会社で有りたいと思っています。

今回制作した物の写真は載せられませんが、研究の際の写真を載せさせて頂きます。

 

(t1.6同士Tig溶接)               (t1.6×t8.0 隅肉溶接)

      

 

(t1.6×t8.0 Tig溶接→仕上げ迄)

     

 

(t1.6 90度曲げ)

    

 

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株式会社アイザックは創業から54年構築した技術で、大型板金をはじめ、変形もの等総合鈑金に対応でき、自社工場内にホイストが8基あり、フレーム、架台、筐体、角P架台、チャンネル架台などあらゆる材質の架台~筐体まで連結すれば、いくらでも拡張出来る工場の広さ、設備を保有している所が、自社の優位な点です。そして技術の伝承、若手の育成もしっかりと次に繋げられるよう環境をしっかり整えています。

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